お知らせ

せきぐち – 2013年11月号

2013年11月30日

越川さん御夫婦の思い出

文京地区 岡田晄子

関口教会きっての鴛鴦(おしどり)夫婦でおられた越川壽様と和歌子様が相次いで神のもとへ旅立たれてから半年がたちました。編集部から思い出の記をというお話を受けて、40年来の友情に甘えて筆をとりました。1月4日、6月7日と続いた御逝去は、淋しがり屋のご主人が、天国から奥様を招かれたとしか思われません。「和歌子は私のマリア様です」と言われた事を思い出し、御夫婦愛に胸が熱くなりました。

越川家とは家族付合いをさせていただきました。明朗闊達、行動的で誰からも好かれた御主人、真面目で思慮深く頼り甲斐のある奥様、実によい組合せで信仰厚い御家族でした。ある時「あなたは他の人に言わないでねと頼んだことを守ってくれたから、本当の友達になれるわ」と言われ、それ以来、無二の親友になりました。お若い頃、和歌子さんは秋田の在にお住まいで、ある日街へ行った時、たまたま通りかかった教会のたたずまいと出入りする人々の様子に深く心を動かされ、キリスト教とは無縁の周囲の反対を押し切って、進んで信仰の道に入られたそうです。その真摯なお話を伺って幼稚園からカトリック教育を受けながらぐずぐずと迷い、やっと受洗した私は、大きな衝撃と感動を受けました。その意志の強さ、信仰の純粋さに尊敬と羨望の念を覚えました。一時は修道女の道を志したそうですが、健康の問題で断念し、ずっと教会関係のお仕事に従事して聖書の勉強にはげみ、信仰を強められたそうです。不勉強な私はよく教えていただきました。その後御縁があって結婚された壽さんは、早大の水泳部で活躍された元気で明るいワセダマンでした。先の大戦で出征され、戦傷を負われましたが、暗さのまったくない非常に純真な方で、奥様の影響で信仰のお恵みを受けられ、お目にかかった時は受洗直後でしたが、壮年会で積極的に活躍されていました。音楽に造詣が深く、聖歌隊を再編成して「ヒムファミリー」と命名された指導者の新垣先生のお手伝いをなさり、ミサの中では感謝の賛歌「聖なるかな」のソロをすばらしいバリトンで朗々と歌い、「聖なるかな小父さん」と慕われていました。写真がお得意で数台のカメラと当時めずらしかったビデオ撮影機を肩に、教会内外の行事の記念写真をすべて残してくださった専属カメラマンでした。和歌子さんもその事務能力と几帳面さに、乞われて長年事務所の係りを担当され、教会が中心の御生活でした。しかし、私の見る所では越川家の信仰面では、婦唱夫随であったと思います。天国での力関係はいかがなものかと想像するのも楽しいものです。晩年には教会の鐘の音の聞こえる老人施設を選ばれたと伺い、いかにも越川御夫婦らしい選択だと思いました。

越川夫妻を中心に大正生まれの信徒が集まったハナハト旅行会も多くの方が帰天されました。天国はにぎやかな事でしょう。卒寿の私も間もなくお仲間に入れていただきます。また逢う日までどうぞ安らかにお憩い下さい。

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