お知らせ

せきぐち – 2012年12月号

2012年12月30日

日曜信仰講座・朗読奉仕勉強会報告

主任司祭 山本量太郎11月25日(日)に今年2回目の日曜信仰講座が開かれました。信仰年を迎え、第二バチカン公会議前から現代に至るまでの教会の変遷を山本量太郎神父様がわかりやすく解説してくださいました。引き続き行われた朗読奉仕勉強会でのポイントと合わせて報告します。

皆と分かち合うために割るパン

司祭と集まった皆さんでパンを分かち合うために、パンを割っているというとても大切なことが数百年以上ほとんど意識されませんでしたが、20世紀後半になって、このことがようやく見直されました。ミサの本質は変わりませんが、たえず見直し、深めていくことが必要です。第二バチカン公会議は真っ先にその見直しに取り組みました。

キーワードは「わたしたち」と「参加」

ミサの第二奉献文では「わたしたちはいま、主、イエスの死と復活の記念を行い、ここであなたに奉仕できることを感謝し、いのちのパンと救いの杯をささげます」と唱えます。司祭はみなさんを代表して唱えており、あくまでも捧げるのは「わたしたち」であることを意識しましょう。

ミサがラテン語で行われていた時代

第二バチカン公会議前のミサの正式な式文がラテン語であった時代、司祭のことばに対する応唱は侍者が行っており、集まった信徒たちは並行して、公教会祈祷文にある祈りを唱え、公教聖歌集(後のカトリック聖歌集)にある聖歌を歌うことによってミサにあずかっていました。侍者が「ミサごたえ」と言われる所以でもあります。第二バチカン公会議を経て、司祭と会衆がともにささげるミサとなるように、すなわち、会衆が、ミサそのもの、正式な式文と聖書朗読に参加できるように典礼憲章はミサの刷新を打ち出しました。

今後50年後の課題

第二バチカン公会議後50年のミサの刷新の流れにおいて、第一の課題である行動的参加はかなり実現してきています。たとえば千年以上廃れていた共同祈願は現在では、日曜日のミサに共同祈願を行うのは当たり前と思われるところまで復興しました。しかし今、典礼への「行動的参加」+「意識的参加」が課題です。つまりその意味をよくわかって、何故そうするのか、そこにはすばらしい内容が含まれているということの理解を深め、「行動的参加」に「意識的参加」が加わった時にはじめて「充実した参加」になるのです。これは典礼だけでなく、教会憲章から現代世界憲章に至るまで、「行動的参加」+「意識的参加」→「充実した参加」の図式が公会議全体に当てはまると思っています。

重要な朗読奉仕

公会議前は、典礼奉仕はラテン語を駆使しないと行えませんでしたので、正式な聖書朗読と祭壇奉仕は叙階を受けた人でないとできない時代でした。今では、ミサの国語化が推進され、信徒の朗読奉仕は当然のこととなりましたが、かつて朗読奉仕者や祭壇奉仕者が叙階を必要としていたという歴史を思い起こし、準備もなくただ読めばよいとか、そこに立っていればよいという参加のしかたでなく、意識的参加がよくできなくては充実した参加にならないという図式を常に当てはめて、朗読の勉強をするということが必要だということをご理解いただきたいと思います。同じく、聖歌隊やオルガニストも典礼の理解を深め、意識的に参加していくことが必要でしょう。

朗読奉仕の心得

  • 『聖書と典礼』を使っての事前準備。
  • 朗読のはじめに標題を決して読み忘れることのないように。聖書の書名と朗読時の標題が違う(たとえば、「マルコによる福音書」と「マルコによる福音」)ということは、2千年近く前に書かれたマルコによる福音書という書物を朗読しているのではなくその時、その場でマルコによる福音のメッセージが宣言されるということを常に意識する。それがその場で、単なる過去の記録が朗読されるのではないという意気込みをもって朗読に臨む。
  • その他詳細は、カトリック関口教会典礼部作成の「朗読奉仕者の手引き」参照のこと。

東京カテドラル関口教会『せきぐち 2012年12月号』
 朗読奉仕勉強会では、実際に大聖堂において
 体験学習も行われました。

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