お知らせ

トマト

2018年02月24日

西川神父

一月下旬に大雪があり、本格的な冬が来たという感じがしました。雪が溶けて、しばらくすると、カテドラル構内の緑地帯が緑色に変わってゆくのが観察されました。昨年、草が伸びて、花が咲き、実がついて地上に落ち、その身が芽を出して伸び始めたのです。

2月に入ると、芽に小さな葉っぱがついて伸び始め、気がついたら緑の地面になっていたというわけです。放っておくと、どんどん伸びて一面、草だらけになり、梅雨を過ぎて初夏になると、上に伸びてきて、釜で刈らなければならないほどの草原になるのです。荒地です。植木は勢いを失って、か細くなり枯れてしまうこともあります。

そうはさせじと、伸びる前に草を取る作業になるのです。地面を緑にするような状態になると、草を一本づつ引っ張って抜くという作業では追いつきません。どうするかと言いますと、絨毯のようになっている草を鍬で削ってはがすような作業をすることになります。

鍬のようなもので「草削り」という名の農具があるのです。つまり、草を地面ごと削り取ってしまい更の地面にしてしまう作業です。

それぐらいしないと、草はへこたれません。削り取った草は、穴を掘って埋めるのです。草ぼうぼうの空き地を鍬で耕してわかったことは、そこが、建物を作った時の工事で出た土をそのまま平らにしただけだということでした。ですから、草を取るにしても、何か花を植えるにしても、一度、20センチから30センチ掘り返し、大きな石を取り出し、そのあと、大きなふるいを使って、小石や、がれきを取り除ける作業をしなければならないということです。そして、秋に集めておいた落ち葉と牛糞や鶏糞を混ぜて土を作ると、やっと、花を植え、木に元気を与える土壌ができるというわけです。

枯葉や落ち葉は、植物にとってこの上ない栄養源です。落ち葉の中で、桜とケヤキはとびっきり栄養価の高い葉です。カテドラル構内には、桜とケヤキの大木が何本もあり、若葉の季節から始まって、秋の落ち葉まで目を楽しませてくれます。それがやがて、花や植木の栄養になっていきます。偉大なる自然のサイクルです。コンポストに蓄えられた枯葉が、堆肥になって出番を待っています。

土を作り、肥やしを埋めて栄養源とし、花木の苗を植えて水さえやっておけば、ぐんぐん伸びて花を咲かせ、実をつけ、楽しみをもたらしてくれます。今年も、いい季節に入ってきました。毎日、ほんの少しの時間、土と交われば、自然が応えてくれます。そういう目で、街を散歩すれば、ちょっとした家の軒先に、花が咲き、木がいい枝を張って目を和ませてくれます。ある家では、数本のトマトが、何十という実をつけていました。たいしたものです。感心してしまいました。今年はどうなるのか楽しみです。

西川哲彌 神父

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