お知らせ

目を覚ましていなさい

2017年11月11日

シスター品川

この天の国のたとえばなしは、多額の借金を赦された家来の話です。彼は返済できなくて、「どうか待ってください。きっと全部お返しします」と懇願したので、彼の主君は憐れに思って彼を赦し、その借金を帳消しにしたにもかかわらず、自分に借金のある仲間を赦さなかったから、最後には王さまはその家来を赦さず牢役人に引き渡したというお話です。

たとえ話は大げさな話の方が分かりやすいものです。注解によると、家来の借りていた一万タラントンの借金は普通の労働者の十数万年分の賃金に相当する、と書かれています。こんな膨大な借金をするということは、まずあり得ない話です。その上、「どうか待ってください。きっと全部お返しします」と言ったところで返せる金額ではありません。王さまも懇願する家来が憐れになって借金を帳消しにした、ということも気前が良すぎて現実的ではありません。

大抵の人は、わたしたちは神さまの大きな憐れみの中に生まれ生きてきたということを、改めて考えることもなく生活しています。その注がれた憐れみ、いつくしみをお返しすることはほとんど不可能です。それを労働賃金に換算することもできません。

勿論、いつくしみを注がれた神さまは、わたしたちに返済を要求されることはありません。ただ一つ求められているのは、天の父、神さまがわたしたちに注がれた大きな愛とは比べものにならない義務があります。それは人としてだれでも持っている義務です。それは、わたしたちの周囲にいる兄弟・仲間を憐れむことです。どんなに頑張っても、わたしが受けた神さまの慈しみ、憐れみは換算できないほど大きなもので、お返しできません。せめて、自分の兄弟を虐めたり、裁いたりしない生活態度で毎日を送りたいものです。それこそ真の愛を生きていることです。

 

Sr.品川ヨシ子

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