お知らせ

出会っていく

2017年03月18日

古郡神父イエス様は価値観の異なる人と出会っていく大切さを、いつもわたしたちに教えてくださいます。サマリア人の女性と出会って、「水を飲ませてください」と声をかけたイエス様でした。イエス様が人に声をかけるとき、この人は神様が望んでこの世にお造りになった神様の子どもだ。この人の中に神様の永遠のいのちがある、この人の中に神様がおられると声をかけるのです。この女性とも、たったひとりのあなた、わたしという特別な関係を築こうとされて声をかけられたのです。 

当時、ユダヤ人とサマリア人は敵対し、反目しあっていました。だからユダヤ人がサマリア人と交わることなど考えられませんでした。敵とは付き合わないというのが普通の人でしょう。当時男性が女性に声をかけるというのも考えられないことでした。それにこの女性、訳ありで正午、陽のカンカンと照ったときに井戸に行っているのです。井戸水を汲むのは、朝か夕方、涼しいときでなければ大変です。この人が正午に水汲みに出かけたのは、誰にも会いたくないということのあらわれでしょう。顔を見られれば、後ろ指を指される。それがこの女性なのです。でもイエス様は、自分の境遇と全く違うこのサマリアの女性に声をかけたのです。

野球のWBC(ワールドベースボールクラシック)日本代表の試合を熱中しながら観戦する日々が続いています。日本代表を見ていると、やはり色々なプレイヤーが必要なのだということに気づかされます。ホームランバッターだけを、ひたすら球の速い投手だけを揃えればいいわけではないのです。出塁する人がいて、走者を還す人がいて、守備の人がいて、先発でイニングを稼げる人がいて、そして、抑えとして1イニングしか投げなくとも役割を果たせる人がいて、初めてチームになるのです。ベンチで大きな声を出し味方を鼓舞することでチームに貢献している選手もいます。それぞれ違っていて、そしてそれが組み合わさったとき、素晴らしいことが起きるということを、与えられた役割を懸命に生きている選手を見ていて感じるのです。

違いのあるわたしたち。その違いは豊かさで、わたしたちひとりひとりが神様には必要なのです。色々な人と出会っていく中で、神様の「あなたたちみんなが必要だ。みんなが大切だ」というまなざしに何度も気づいていく、それがわたしたちの人生なのです。

 

古郡忠夫 神父

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