お知らせ

弟子たちと主の祈り

2015年07月11日

山本神父

主の祈りをイエス・キリストから直接教わった最初の弟子たちは、きっと欠かさず毎日唱えたことだろう。12人が2人ずつ組にして派遣されたときには、2人で声を合わせたはずだ。目の前にある晩ご飯をいただく前にも、「私たちの日ごとの糧を今日もお与えください」と祈ったに違いない。なぜなら、ほかの10人のなかには、晩ご飯にありつけなかった組があるかもしれないからである。お金を持たずに旅に出た彼らは、その日好意に恵まれなければ、空腹のまま一日を終えるしかなかった。まさに「今日のご飯を今日ください」という切実な祈りだったのである。

それから2千年たった今日でも、私たちキリスト者は食事を前にして、「私たちの日ごとの糧を今日もお与えください」と祈っている。世界中のどこかに一人でも飢えている人がいるかぎり、そう祈り続けなければならない。「私たち」とは究極のところ、全人類なのであり、「主の祈り」とは、すべての人の父である神を信じている人の祈りにほかならないからである。

 

山本量太郎神父

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