お知らせ

2015年02月21日

シスター品川

今日の第一朗読、創世記にはノアの洪水の後、箱舟から出たノアと彼の子孫たちに神が契約を立てられる場面が出て来ます。神がノアとその子孫だけを相手に契約を立てられたのではないということを面白く思います。次のように書かれています。「あなたたちと共にいるすべての生き物、またあなたたちと共にいる鳥や家畜や地のすべての獣など、箱舟から出たすべてのもののみならず、地のすべての獣と契約を立てる。わたしがあなたたちと契約を立てたならば、二度と洪水によって肉なるものがことごとく滅ぼされることはなく、洪水が起こって地を滅ぼすことも決してない。」(創世記9章10節)

契約というものは、通常なら双方が結ぶものですが、このノアの契約は神からの一方的なものです。それうえ、神は人間だけを契約の相手としないで、すべての生き物を対象に契約を結ばれます。人間は自分で同意したり、拒否したりできますが、人間以外のすべての意志を持っていないような生き物もこの契約の対象とされているのです。勿論、スズメもネコもチューリップも名も無い草もなのです。まるで子供の世界のようなお話です。しかし、ここには神だけが持たれる世界観があるように思います。

更に、このノアの契約に心を留められるのは一歩的に神ご自身です。神は契約のしるしとしての虹を雲の中に置かれ、ご自分でそれをご覧になる時、「わたしはあなたたち並びにすべての生き物、すべて肉なる者との間に立てた契約に心を留める。水が洪水となって肉なるものをすべて滅ぼすことは決してない。」(15節)と断言されます。虹は神がノアと結ばれた契約のしるしです。天と地を結ぶ虹には夢を感じます。神はすべて肉なるもの(弱いもの)が生き続けることを望まれている事を思い出します。人間は勿論のこと、人間だけでなく、すべての生き物が生き続けることをです。絶滅種と言われる動植物が時々ニュースになりますが、人間の身勝手さで神さまの創造の傑作を滅ぼすことがないようにしたいものです。

 

Sr.品川ヨシ子