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目には目を

2014年02月22日

山本神父「狭き門」、「豚に真珠」。これらをイエスの山上の説教(マタイ5-7章)からの言葉だと知らずに使っている人が案外多いのではなかろうか。「狭き門」は、競争者が多くて就職や入学が難しいことのたとえとして、また、「豚に真珠」は、価値の分からない者には貴重なものも無意味であることのたとえとして使われている。

「目には目を、歯には歯を」も、同様かもしれない。私自身中学生のころ、この言葉を最初に聞いたとき、聖書に由来するとは夢にも思わず、復讐を容認するニュアンスで受け取った。大人になって聖書を読み、イエスの山上の説教の中で引用されている旧約聖書の言葉だと知った。しかも、旧約時代から既に、受けた害以上の仕打ちをもって報いてはならない、というところにポイントがあったと聞いて、長い間誤解していたことを密かに恥ずかしく思った。しかも、イエスはその同等の仕返しもしてはならないと言っているのだ。

そんなことができるのだろうかと考える前に、私たちが受けているのは害だけではないということに思いを向けたい。実にたくさんの恩を受けているのだ。その恩に同等のお返しができるようになるまで、仕返しのことは少しでも棚上げにして生きることができたら、と願っている。

山本量太郎神父

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