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敬う

2012年07月08日

シスター品川「預言者が敬われないのは、自分の故郷、親戚や家族の間だけである」

タイトルは、イエスのことばで福音書(マルコ6.4)に載っています。
聖書はこの箇所の続きに、「そこでは、ごくわずかの病人に手を置いて癒されただけで、その他は何も奇跡を行うことがおできにならなかった。」と記されています。
「何も奇跡を行うことがおできにならなかった」とは、驚きです。イエスが神であれば、人がどう思おうと、奇跡ができるのではないか、と思うからです。むしろ、故郷の人々のために、期待どおりに奇跡をされたら、どんなに人々は喜んだことか、とも考えられます。
しかし、「おできになれなかった」のです。

預言者という人たちは、神の言葉を預かり、必要な時に語る人のことをいいます。ということは、いつも甘い言葉を語るわけではありません。必要な時には人の喜ばない厳しいことも話すでしょう。

イエスの故郷ナザレの人たちに限らず、人は誰でも、自分よりも立派になった身近な者の素晴らしさを認めることは難しいものです。外でどんなに尊敬される人でも、家族からは無視されている人も多いことも事実です。その人の真価は、身近な人ほど認めにくいということは誰でも思い当たることだと思います。今日の聖書のみ言葉は、複雑な「人」そのものについても、思い巡らすことが多いところです。

Sr.品川 ヨシ子