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せきぐち – 2015年8-9月号
2015年10月14日
戦後70年に思う
主任司祭 山本量太郎
高校野球を見ながら
今年で全国高校野球選手権が始まってちょうど100年になりました。第1回は1915年の夏。第二次世界大戦中に3回の休みが入ったので、大会自体は97回目だそうです。私は8月上旬には、テレビで甲子園の実況中継と戦後70年の特集番組とを交互に見るような日もありました。野球のほうは100年の年にふさわしく、例年にも増して好試合と熱戦の連続でしたが、ある時、ふと思ったのです。100年前の1915年、世界はいったいどうなっていたのだろうか、と。
100年前は
やはり、第一次世界大戦の真最中でした。日本はこの大戦に総力戦で関わっていなかったからこそ、100年前に高校野球の全国大会を始めることもできたにちがいない、そう思いました。それにしても待てよ、第二次世界大戦が終わってから今年でもう70年もたっているではないか。それではいったい第一次世界大戦の「戦後」は何年続いたのだろう?
調べてみると、第一次世界大戦の終わりは1918年、そして第二次世界大戦の始まりが1939年なので、第一次世界大戦の戦後は実に20年しかありませんでした。改めて、第二次世界大戦の戦後が70年続いていることの重さを意識しました。これからは歴史の続くかぎり、第二次世界大戦の戦後でなければならないのです。
平和への願い
100年前の1915年、時の教皇ベネディクト15世は大戦終結へのあらゆる努力が実を結ばない苦悩の中で、聖マリアの連願に「平和の元后、われらのために祈りたまえ」を加え、聖母の取り次ぎをせつに祈りました。
52年前の1963年、時の教皇ヨハネ23世は、核戦争の脅威を目の当たりにして、「地上の平和」をカトリック信者だけでなくすべての善意の人々に向けて呼びかけました。
その5年後の1968年、時の教皇パウロ6世はベトナム戦争が激化するなか、平和のために特別な祈りをよびかけ、毎年1月1日を世界平和の日と定めました。
34年前の1981年、時の教皇ヨハネ・パウロ2世は日本を訪れ、広島で核兵器の廃絶を訴え、平和アピールを発表しました。
もちろん、現教皇フランシスコも日々、世界平和のために全身全霊をささげています。
日本の教会の一員として
日本のカトリック教会は戦後70年にあたり、既に司教団メッセージ「平和を実現する人は幸い-今こそ武力によらない平和を」を発表して、戦争放棄への決意を呼びかけていますが、特に、1968年に白柳前東京大司教が日本のカトリック教会を代表して述べた「戦争責任を反省し平和への決意を表明した」言葉が引用されていることに注目したいと思います。
「幸いなのは平和を説く人ではなく、平和を実現する人です」という現教皇フランシスコの言葉を日々生きることができますように。
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