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なぜ神は人が災害に巻き込まれるのをただ見ておられるのか
2019年11月30日
[福音 マタイ24:37-44]
8年前、我が国では全世界で経験したことのない大災害、地震、津波、原発事故を経験しました。みなさまも「神様がいるのになぜこのような災害に人が巻き込まれるのか」と考えられたに違いありません。
まず考えたのは、愛する家族や友人をなくした方々にどのような励ましの言葉が伝えられるかです。「経験していない者は、わたしたちの気持ちを分からない」と言われます。
でもある時、私は気付きました。わたしも経験者なのだ。
25年前のことです。アメリカのインディアナ週の南端で暑い夏の午後でした。わたしの妹の家のドアベルがなります。妹の倍以上ある警官が「あなたのお母様は今日ペンシルベニア州で、トラックと正面衝突して亡くなりました」と告げました。あまりにも大きなショックだったので倒れそうになりましたが、どうにかして警官が帰るまで我慢して、ドアを閉めました。
名古屋に住んでいた私が知ったのは次の日でした。ショックに陥った私は大学の任務があることを口実に、気休めのためにたんたんと仕事をこなしていました。現実に戻りたくない気持ちの方が強かったのです。
愛する人を亡くし、残された人はたまらない寂しさで心がいっぱいになります。でも被害者はサナギが蝶になって飛び立つように、苦しみはほんの一瞬かも知れません。そして神様に会います。神様にとって子供たちがご自分のところに戻ってきた喜びでいっぱいです。
このような考え方になるには25年かかりました。残された遺族も時間をかけて神様の気持ちを考えるのかもしれません。
三田一郎 助祭
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