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故郷では
2019年02月02日
[福音 ルカ4:21〜30]
少年イエスは父であるヨゼフからではなく、天の御父から祈りを通して指導を受けていたことは明らかです。両親と共にエルサレムに上った12歳のイエスは一人で神殿に残って祭司たちに鋭い質問をされていたからです(ルカ2:41)。
イエスは故郷であるナザレに滞在され、安息日に神殿でイザヤ書を読み、座られて慈しみ深い説教をなさっていました。故郷の人々は「この預言が今日あなた達の前で実現した」と聴き、大喜びです。でも「なぜヨセフの子がこんなこと言えるのか」、「町々で行っている奇跡がなぜ可能なのか」、「まるで神のように語っている」、「神を冒涜している」と話を聞いているうちに喜びが嫉妬に変わりました。
イエスは場の雰囲気を読み取られ、神はエリアとエリシャをユダヤ人に遣わさず異邦人に遣わされたことを例に上げ、「神は異邦人にも恵みを与える」、「預言者は自分の故郷では歓迎されない」とおっしゃいます。イエスの言葉を聞いていると人々は「この人は自分の心の中まで見通している」と恐れを感じます。律法学者やファリサイ派の人々は、自分たちが行っている様々な腐敗した行動が明らかになるのを恐れ、群衆にイエスを神殿から追い出して殺させようと考えます。
イエスは死を覚悟していましたが、まだその時ではありません。群衆によって崖から突き落とされそうになりましたが、イエスは奇跡的に人々の間を通り抜けて立ち去られました。
ナザレでも奇跡は行われたのです。
三田一郎 助祭
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