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彼岸花(ヒガンバナ)
2018年09月22日
気がついたら、関口構内のあちこちで彼岸花が満開状態で風に揺られています。9月のお彼岸になると、その日にちを知っているかのように花を咲かせます。彼岸というと、春と秋、夜と昼が同じ時間になる中日前後を先祖に感謝する日としてお墓参りをする習慣があります。そこから、どうしても、死者が思い起こされ、ヒガンバナも死者と結びついてしまうのです。単純に縁起の悪い花として敬遠される傾向があります。しかし、最近は、ヒガンバナもその美しさが見直され、何万本のヒガンバナで埋め尽くされた公園が評判を呼んでいるようです。色も赤色だけではなく白やピンク、さらに観賞用の園芸品種も出ていて、ヒガンバナの固定概念が崩れてゆく傾向にあります。
それにしても、見れば見るほど美しいですね。茎が伸びると瞬く間にツボミがつき、翌日には開花しているというくらいの速さです。どこから湧いてきたのかと思えるほどの技です。しかし、残念ながら、この花は長く持ちません。
いつの間にかしおれてしまい、茎ごと、地に帰って行きます。根元の葉は残り、葉のままで冬を越します。球根で増えてゆきますので、一度咲いたところにはまた茎が伸びて、秋の彼岸の頃に花を咲かせるというサイクルです。
カテドラルの構内を注意深く観察していると、意外なところにヒガンバナが咲いているのに出会います。赤色も白色もあります。花は不思議です。どうぞ、カテドラルにいらっしゃったら、庭の草花にも目を止めて見てください。意外なところに意外な花を発見できますよ。
西川哲彌 神父
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