お知らせ

あなたがたが食べ物を与えなさい

2016年05月28日

シスター品川

イエスの今日の働きは大変なものです。気のきかない弟子たちは、イエスと共に歩きまわりながらも、お弁当を持っていないのです。彼らが持っていたのはパン五つと魚二匹だけでした。勿論、今日の日本のようなコンビニ弁当など手に入るはずはありません。大の男13人の夕食と朝食をどうするつもりだったのでしょう。

「イエスは群衆に神の国について語り、治療の必要な人々を癒しておられた」と聖書に書かれていますから、忙しい一日だったと思います。一日が終わろうとしていますが、どうしたことか、人々は自分の家には帰らないので、弟子たちがイエスに頼みます。「群衆を解散させてください。そうすれば、周りの村や里へ行って宿をとり、食べ物を見つけるでしょう。わたしたちはこんな人里離れた所にいるのです。」と、群衆を解散してくださいと言います。

この時イエスがされたことは、人々を座らせ、「五つのパンと二匹の魚をとり、天を仰いで、それらのために賛美の祈りを唱え、裂いて弟子たちに渡して群衆に配らせた」ので、すべての人が食べて満腹したのです。そして、残ったパンの屑が12籠もあったというのですから驚きです。

一番驚いたのは、この出来事を実際に体験した弟子たちでしょう。イエスは天の父に賛美の祈りを唱え、裂いて弟子たちに渡して群衆に配らせられたのです。これはミサに集まる人々に、今日もイエスが続けることを望まれ、飢え渇く人々に弟子たちを通して、ご自分を分かち与えられる行為です。

初めっから逃げ腰だった弟子たちは、イエスの言葉に従ってパンを配りながら、きっと人々のために「仕える」喜びをかみしめ、イエスとの親しさをもっと深めたことでしょう。信仰は体験によって深まるものです。

 

Sr.品川ヨシ子