お知らせ

幸福な人生

2015年10月17日

三田助祭

弟子たちは、イエスがいずれイスラエルをローマの支配下から救ってくれる方であると思い、イエスについて行きました。そしてイエスがイスラエルの王になったとき、誰が一番偉い地位に付けるか盛んに競争しています。イエスは、「あなたがたの中で偉くなりたい者は、皆に仕える者になりなさい。」と言われます。

我が国では、子供が少しでも豊かな人生を送れるために、少しでも良い学歴をもつように、両親は一生懸命努力します。子供は親の努力についていけず、反発するときもあります。親子の関係も脅かされるときもあります。競争に勝ち抜き、素晴らしい学歴を取得し、将来が保証されている大企業に入社出来たとしても、上には上があり、多くの人は競争から脱落します。これが幸福な人生でしょうか。

今年ノーベル賞に輝いた大村智先生は両親から「世の中の人々のためになることをしなさい」と言われて育ちました。別に大村先生のように大きなことをしなくてもよいのです。皆に仕える人生こそ一番幸福な人生ではないでしょうか。

もしそうであれば、子育てをもう少し気楽に考え、日曜日の朝は子供を塾に送り出すよりも、ミサに連れて来る方が幸福な人生を送れるのではないでしょうか。

 

三田一郎 助祭