お知らせ

癒しについて

2015年09月05日

三田助祭

マルコ7:31-37

今日の福音を読んで、わたしは心の中で思い浮かべます。「この様な奇跡は本当に起こったのだろうか」。もし本当だったら「是非わたしも体を癒してほしい」と。癒された人々に対して嫉妬の気持ちさえ浮かんでくるでしょう。

たえがたい苦しみを瞬間的に癒されれば、わたしたちも、この上ない喜びで、キリストであるイエスをほめたたえるでしょう。イエスが神であることを皆に伝えたくなるでしょう。

でも忘れてはいけません。わたしたちは体の癒しよりもっともっと大きな恵みを既にいただいているのです。心の癒しです。心の癒しは外見が変わるものではないので奇跡的なお恵みとして周りの人が騒ぐ様なものではありません。

心の癒しを頂いた人々はキリストに招かれます。「わたしについて来なさい」と。マグダラのマリヤや徴税人のマタイなど、心の癒しを受けた人々はイエスに呼ばれて弟子になりました。皆さんも心の癒しを授かったからこそ洗礼を受け、今日、教会に来ているのです。そしてこのミサから派遣され、外に行き、人々にイエスの福音を述べ伝えなさいと言われているのです。イエスは貴方を特別扱いし、福音を述べ伝えるのにふさわしいお恵みを与えて下さっています。「ミサで受けたお恵みを誰にも伝えるな」などとおっしゃいません。あなたは常にキリストに呼ばれている恵みを感謝し、毎週、日曜日のミサでキリストに出会うのです。

 

三田一郎 助祭