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ぶどう園の労働者のたとえ
2014年09月20日
その男は夕方、1時間しか働かなかったのに、ちゃっかり1日分の賃金をもらって帰っていった。彼は周りの人たちが自分より早くから働いていることは知っていたが、ある人が朝早くから働き、別の人が午後3時からだったということまではわからなかったかもしれない。
彼はいちばんに1デナリオンを受け取って、真っ先に家路についたと思われる。だから、朝早くから働いた人が、一日中働いたのに同じ1デナリオンしかもらえなかったので、不公平だと文句を言ったことや、それに対して、主人が不当なことはしていないと答えたことも聞いていないはずだ。
夕方1時間だけ働いて1日分の給料をもらった男の言葉は、聖書には何も書かれていない。私は初めてこのたとえを読んだとき、彼がどういう気持ちだったのか知りたいと思った。そして、それ以来思い続けているが、正直なところ数十年たった今もよく分からない。
でも、一つだけそうに違いないと思うようになったことがある。それは、自分のような者にも1日分の賃金が与えられているということだ。もしかしたら、私たちは皆、夕方雇われた者なのかもしれない。
山本量太郎神父
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