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からし種
2013年10月05日
もう何年も前のことです。その樹がからし種の樹だったと分かったのです。三メートル位のすらっと伸びた樹が、見事な黄色い美しい花をいっぱいにつけているのを初めてみた時、それはそれは感動しました。ひそかにその実のなる時を楽しみに待ちました。何ヶ月かして、期待の種が出来た時、白い紙の上でそっと殻を破って見ると、針の先でしるしをしたかのような黒い粒々がいっぱい落ちてきました。わたしは「からし種」を洋がらし、つまりマスタードの粒のようなものだと想像していたので、その余りの小ささに驚きました。
ところが、その樹にある年虫が付いたので、殆ど根っこから切られてしました。残念に思っていましたが、翌年、また立派に伸びて花をつけていました。その生命力にまたまたびっくりしたものです。蝶や小鳥がその樹を楽しんでいる様子は、まさに聖書の世界でした。
イスラエルへの巡礼に参加した時、この「からし種」の樹がちょうど花盛りでした。それが方々に咲いているのは、黄色い特徴ある咲き方で分かりました。イエスさまのたとえばなしの「からし種」は、イスラエルの人にとっては身近な分かりやすいものだったことが良く分かりました。
イエスの選んだ弟子たちの信仰はまだまだと思えたので、「からし種」のたとえが出てきたのでしょう。今の時代にも、「からし種一粒程の信仰があったら」と、イエスが呟いておられる声が聞こえてきそうです。わたし自身、こんな小さな信仰も持ち合わせていないのか、と嘆かれそうです。
Sr.品川ヨシ子
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