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なんという空しさ
2013年08月03日
今日の日曜日には、有名な旧約聖書の「コヘレトのことば」が読まれます。
コヘレトは言う。
なんという空しさ
なんという空しさ、すべては空しい。(1.2)
知恵と知識と才能を尽くして労苦した結果を、
全く労苦しなかった者に遺産として与えなければならないのか。
これまた空しく大いに不幸なことだ。(2.21)
コヘレトと言う人は知恵に恵まれたソロモン王を指します。ここでは、栄華を極めたソロモンが悟りの極みを吐露しているかのように書かれています。しかし、実際にはコヘレトはソロモンその人ではなく、多くの苦難を経た後の経験者が紀元前三世紀頃に書いたものと言われています。
わたしたちが生きているこの世界は、実に空しいことが連綿と続いていきます。この長い人生を途中で止めることもできないと考えると、重苦しくなって足がすくんでしまう人もいるでしょう。勿論、人生には楽しいことが山ほどあることも確かです。しかし、自分をごまかさないで「空しい」現実にしっかり目を向けることは、神を見いだす近道かも知れません。「コヘレトのことば」の締めくくりには次のことばが記されています。やっぱりそういう結論か、と思われる方があるかもしれませんが、この結論にたどり着くまでが豊かです。
すべてに耳を傾けて得た結論。
『神を畏れ、その戒めを守れ。』
これこそ、人間のすべて。
神は、善をも悪をも
一切の業を、隠れたこともすべて
裁きの座に引き出されるであろう。(12.13-14)
ユダヤ人の知恵文学は、一度ゆっくり読むに値すると思います。夏休みにぜひ読んでみてください。
Sr.品川ヨシ子
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