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十字架称賛
2012年09月14日
神は、その独り子をお与えになったほどに世を愛された。 独り子を信じる者が一人も滅びないで、永遠のいのちを得るためである。 (ヨハネ3.16)
歴史によると、335年にコンスタンチヌス皇帝の造営した救い主キリストの受難・死・復活の聖堂の聖十字架がイエス・キリスト処刑の出来事の行われたカルワリオの丘に顕示された。ところが、聖地エルサレムは614年にペルシャに略奪され、十字架は持ち去られた。この後、東ローマ帝国皇帝ヘラクレスはペルシャを破り、十字架を取り戻し、皇帝自身これを背負い、エルサレムに入城し、カルワリオの丘に顕示した。 エルサレムでは5世紀から復活聖堂を記念する9月13日の翌日つまり、14日にキリストの十字架を称賛する習慣がある。
わたしは、自分の生涯を神と人々のために奉献したしるしとして、初誓願の時いただいた修道会の十字架を首にかけている。時々「いい形の十字架ですね。どこに売っていますか?」と聞かれることがある。十字架の死に至るまで命を賭けて生きられたイエスに従いたいという、修道者としてのしるしだから、これはどこにも売っていない。十字架をネックレスなどの飾りとして使う人は多いが、これがイエス・キリストの処刑の道具だったことを知る人は意外と少ないのかもしれない。
十字架を仰ぎ見る時、救い主イエス・キリストが「世」にあるわたしたち人間と人類のために果たされた受難・死・復活の出来事を思い巡らし、その御業を感謝し賛美する。 天地を結ぶイエスを支える縦木と、どんな人をも受けとめようと伸ばされたイエスの両手を縛りつけている横木は、長い歴史を貫いて黙々と今日も立ち続けていることを観想したい。
シスター 品川
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